最終更新日 2024年10月28日 by newsring
勤務している会社に産業医がいることは知っているものの、どのようなことをしている人なのかわかっていないという方もいるでしょう。
仕事内容を把握しておくことで、仕事中の健康に関わるトラブルなどを相談しやすくなるかもしれません。
産業医の主な仕事は、医学に関する専門的な立場で、職場における労働者の健康管理などを行う医師です。
そもそも会社側は、一定以上の規模の場合には、国家資格を持つ医師を雇って労働者の健康管理などを行う義務があります。
産業医は求められる知識が変わってくる場合もある
産業医をしている方は、医師の国家資格さえ持っていれば問題ないと思っていませんか?しかし病院で勤務する医師と会社で働く場合とでは、求められる知識が変わってくる場合もあります。
そのため厚生労働省が定める要件を満たす人しか、働けないという決まりが存在しています。
具体的には労働者の健康管理を行うのに必要な医学に関する知識があると厚生労働省に認められることで、働ける仕組みになっています。
また会社に医師がいるといっても、本格的な治療者診断が受けられるわけではありません。
基本的に診断や治療をするのは、病院などに勤務する主治医です。
会社にいる医師は、働けるか働けないかを判断する医師だという点を押さえておきましょう。
精神的な病気などの理由で一時的に離職した場合、主治医は日常生活が可能かという判断はできても復職が可能かなどの判断はできません。
そのようなときに会社側の医師がいれば、業務内容を考慮したうえで復職が可能かなどの判断をしてもらえます。
産業医の職場について
産業医の職場は基本的に企業内になります。
企業内での勤務となるので、土日出勤や残業などの頻度が少ないというのも特徴の1つです。
土日祝日などが休みのため、スケジュールが立てやすいという理由で会社で働く医師を目指すケースも見られます。
また会社で働く医師ということで、事業主との業務契約になります。
給料などの条件は企業ごとに異なるので、個別に確認して問題なく勤務できそうか考えていくことが大切です。
病院で働く医師の場合、診察や治療などを行うのは病人です。
すでに何らかの症状がある方が来院して治療を受けるという場合がほとんどです。
一方で会社で働く医師の場合、健康な人や心身の状態が良くない方が中心になります。
働いている途中で精神的に何らかの問題があると感じた方が相談に来るケースも見られます。
そのため仕事内容としては、検査や治療ではなく、就労環境や健康全般に対する指導もしくはアドバイスなどが中心です。
就労制限や就労可能かなどの判断も会社で働く医師の仕事に含まれます。
治療が必要だと判断した場合には、医療施設を紹介します。
産業医の仕事で大切なポイント
産業医の仕事で大切なポイントとなるのが、社員の健康を管理していくという点です。
例えば社員の健康診断が終わったら、チェックとフォローを行っていくのも大切な仕事の1つです。
健康診断の結果で異常所見があると診断された労働者がいても、本人が放置してしまう可能性もあります。
そこで産業医が面談を実施、状況に応じて就業上の措置をとるなどの形で対処して社員の健康を守っていくことが求められます。
長時間労働をしている場合、脳や心臓疾患さらには精神疾患などに結び付いてしまう可能性があります。
休まずに長時間労働をしていると、体と心の疲労が蓄積して病気になってしまう可能性もあるのです。
そのような傾向が見られる労働者に対して、必要なサポートを行っていくという仕事もあります。
面談の実施によって、メンタルのケアや必要なら仕事を休めるようにする意見書の提出などの仕事も見られます。
常時雇用の労働者が50人以上の事業所について
常時雇用の労働者が50人以上の事業所では、衛生委員会を開催する義務があります。
さらに業種と雇用人数に応じて、安全委員会を開催が必要になります。
2つを合わせて安全衛生委員会を開催するケースも多くなっています。
この安全衛生委員会にも、会社に雇われている医師が出席することもあります。
提案に関する相談だけではなく、講話を求められることもあるという点を把握しておきましょう。
実際に会社側が医師を雇う必要があるかどうかは、さまざまな条件に応じて変わってきます。
厚生労働省によって決められている義務になるので、条件に当てはまる場合には問題なく対処できるように準備していくことが大切です。
また初めて医師を雇う場合には、どのような準備をしていけばいいのかわからないということもあるでしょう。
他社の例などを参考にしながら、適切な環境を整えていくことが求められます。
まとめ
社員の体と心の健康を守っていくというのは、会社側にとって大切なポイントの1つです。
社員が健康を維持できるからこそ、より良いパフォーマンスを発揮して仕事の効率も高まります。
また社員側も、会社側が適切に対処してくれることで安心して働けるというメリットがあります。
働きやすい会社作りのためにも、会社で働く医師の存在が大切だという点を押さえておきましょう。