最終更新日 2024年10月28日 by newsring
2016年4月から新たに導入される景品表示法における課徴金制度は、措置命令を受けても今までは課徴金が科されなかった事業者に大きな影響を与えています。
不当表示をしていた時期の売り上げが対象となるため、稼いでいれば稼いでいるほどそれだけ課徴金を払わなければならず、今までやってきたことが不当表示になってはたまらないと、射幸心を煽る表現に気をつけるといった動きが見られています。
特に、スマートフォンゲームに関していえば、いわゆるコンプガチャ問題が今もあり、どれくらいの比率でどういったアイテムが出てくるのかというものがなかなか示されずにいます。
もし、こうしたものが問題となり、課徴金の対象となった場合、かなりの額を払うことになり、利用者への自主的な返納など対策を立てる必要があります。
しかし、故意に不当表示を行い、多額の利益を生み出した場合でも、うっかり不当表示をし、注意を怠っていた場合でも課徴金の額は売り上げの3%となっています。
要するに悪質性に関係なく、パーセンテージは変わらないようになっています。
これでは故意に不当表示を行い、課徴金を覚悟でこうした違反を行うことが可能となります。
ですので、違反の悪質性に合わせて、売り上げの10%や20%の課徴金を科すなどの改良がなされることが求められます。
とはいえ、今までこうした制度がなかったわけですから、制度としてできただけでも一歩前進なのは間違いありません。
課徴金制度の中には、自主申告をすれば課徴金を半分にできるものや利用者に返金を行うことで課徴金を減免するというものがあり、そうした制度を悪用して課徴金をなるべく払わず、それでいて不当表示をしようとする事業者が出てくることが予想されます。
売り上げが5000万円に満たなければ課徴金の対象にならないことも利用し、売り上げをごまかす例もいずれは出てくるでしょう。
改良するのは実際に運用してからとなりますが、課徴金制度ができたとしてもまだ万全な制度とは言えません。
景品表示法改正での課徴金制度の導入
不当表示に対しての課徴金制度を導入する、景品表示法が臨時国会で改正されました。
施行については公布日の平成26年11月27日より、1年6ヶ月以内になっています。
この課徴金制度はこれから先、不当表示を防止するために役立つ、メインの役割となっていく期待も持たれています。
課徴金納付命令の対象となる行為については、一般の消費者にも身近な関わることもありうる内容です。
課徴金納付命令において対象となるのは、大きく2つのパターンであり、優良誤認表示と、もうひとつは有利誤認表示になります。
不実証広告規制の表示行為は、一定の期間内にその当該表示内容に関して、何かの裏付けとなるような合理的根拠がないと、それは不当表示と推定されてしまうために、そこには課徴金が賦課されることとなります。
課徴金として発生し賦課される金額についてですが、課徴金対象期間での対象商品、もしくは役務の売上額における3%になります。
課徴金額が150万円未満だった場合、もっとわかりやすく言えば、売上額は5000万円未満だったときには、賦課されないことになります。
課徴金額には下限が設けられているためい、国内における中小事業者への課徴金が賦課されるケースというのは、限定されることとなります。
ただ売上額が少ないために、課徴金が課されないとしても、措置命令等で処分を受けることは勿論となります。
対象期間については課徴金対象期間は、商品やサービスに不当表示をした期間にプラスをして、その不当表示をやめた日より半年以内に取引を行った日までです。
そして最長では、期間の最後の日より遡ること3年間までです。
表示の不当表示をストップした後の取引についての売上も、一定の範囲では課徴金算定の対象になってくる為に、その点は気をつける必要性が出てきます。
自主申告をして、課徴金額の減額というパターンもあります。
表示に関して違反を行った事業者が、そうした違反の行為を自主申告を行ったケースでは、課徴金額の1/3は減免されることとなります。
申告の調査によって、課徴金納付命があると予知していたときには減免となりません。