ネットに関係する風評被害対策について

現代のネット社会では、当たり前のようにブログや掲示板に様々な事柄が書かれ、誰でもそれらの情報を見ることができます。

ネット上で公開された個人情報や書き込みなどが一度拡散すれば、後から消すことは極めて困難です。

そして、ブログや掲示板の開設者が風評被害を受ける事態に陥る可能性が高まると考えられます。

そのため、ブログや掲示板などが関係する風評被害対策に取り組んでいる会社が増えています。

ブログや掲示板に良からぬ内容などの書き込みをされた場合、名誉毀損に相当する内容については、ブログや掲示板から削除することができます。

■誰が書き込んだかの特定は難しい

また、場合によっては慰謝料の請求も可能になります。

ところが、一般的に名誉毀損に相当するような内容がブログや掲示板に書かれる場合、その書き込みは匿名で行われます。

つまり、誰がブログや掲示板に書き込んでいるのか不明である、ということになります。

ネット上で発生する以上のような風評被害や誹謗中傷などに関する書き込みについては、行政機関や警察などの力によって削除すれば良い、という意見も多くなっていると考えられます。

■表現の自由という権利

しかし、誹謗中傷などの被害を受けた被害者には心苦しいことに、表現の自由という権利と密接に関わってくる問題もあります。

ネット上における情報発信に関しては、発信者の表現の自由を尊重し、その内容は発信者の自己責任を優先する、といった表現の自由という権利の捉え方があります。

また、この捉え方を踏まえて通信の秘密厳守や個人情報の保護などの規制的な方針があり、国民の自由を考えたこれらの方針によって、皮肉なことに風評被害や誹謗中傷などが野放しにされている現状の問題につながっています。

自分で実施できる基本的な風評被害対策としては、まず自分のブログや掲示板に誰かを批判するような内容を掲載しないことが大切だと感じています。

■ネットリテラシーを磨くことも大切

また、社会通念や常識とかけ離れているような内容も書き込まないことが重要です。

第三者から書き込まれる内容については、それほど悪質なものでなければ、過剰反応しないつもりでいることもポイントだと言えます。

あまりにも酷い状況に陥り、自分だけの対応ではどうにもならないところまで至った際には、最終的な手段として、風評被害対策に取り組んでいる会社に依頼することが賢明だと考えられます。

大前提として、ブログや掲示板を開設する側も、それらを閲覧する側も、ネットリテラシーの能力をしっかりと磨くことが最も肝心なことであると感じています。

まだ改良の余地がある景品表示法の課徴金制度

2016年4月から新たに導入される景品表示法における課徴金制度は、措置命令を受けても今までは課徴金が科されなかった事業者に大きな影響を与えています。

不当表示をしていた時期の売り上げが対象となるため、稼いでいれば稼いでいるほどそれだけ課徴金を払わなければならず、今までやってきたことが不当表示になってはたまらないと、射幸心を煽る表現に気をつけるといった動きが見られています。

特に、スマートフォンゲームに関していえば、いわゆるコンプガチャ問題が今もあり、どれくらいの比率でどういったアイテムが出てくるのかというものがなかなか示されずにいます。

もし、こうしたものが問題となり、課徴金の対象となった場合、かなりの額を払うことになり、利用者への自主的な返納など対策を立てる必要があります。

しかし、故意に不当表示を行い、多額の利益を生み出した場合でも、うっかり不当表示をし、注意を怠っていた場合でも課徴金の額は売り上げの3%となっています。

要するに悪質性に関係なく、パーセンテージは変わらないようになっています。

これでは故意に不当表示を行い、課徴金を覚悟でこうした違反を行うことが可能となります。

ですので、違反の悪質性に合わせて、売り上げの10%や20%の課徴金を科すなどの改良がなされることが求められます。

とはいえ、今までこうした制度がなかったわけですから、制度としてできただけでも一歩前進なのは間違いありません。

課徴金制度の中には、自主申告をすれば課徴金を半分にできるものや利用者に返金を行うことで課徴金を減免するというものがあり、そうした制度を悪用して課徴金をなるべく払わず、それでいて不当表示をしようとする事業者が出てくることが予想されます。

売り上げが5000万円に満たなければ課徴金の対象にならないことも利用し、売り上げをごまかす例もいずれは出てくるでしょう。

改良するのは実際に運用してからとなりますが、課徴金制度ができたとしてもまだ万全な制度とは言えません。

景品表示法改正での課徴金制度の導入

不当表示に対しての課徴金制度を導入する、景品表示法が臨時国会で改正されました。

施行については公布日の平成26年11月27日より、1年6ヶ月以内になっています。

この課徴金制度はこれから先、不当表示を防止するために役立つ、メインの役割となっていく期待も持たれています。

課徴金納付命令の対象となる行為については、一般の消費者にも身近な関わることもありうる内容です。

課徴金納付命令において対象となるのは、大きく2つのパターンであり、優良誤認表示と、もうひとつは有利誤認表示になります。

不実証広告規制の表示行為は、一定の期間内にその当該表示内容に関して、何かの裏付けとなるような合理的根拠がないと、それは不当表示と推定されてしまうために、そこには課徴金が賦課されることとなります。

課徴金として発生し賦課される金額についてですが、課徴金対象期間での対象商品、もしくは役務の売上額における3%になります。

課徴金額が150万円未満だった場合、もっとわかりやすく言えば、売上額は5000万円未満だったときには、賦課されないことになります。

課徴金額には下限が設けられているためい、国内における中小事業者への課徴金が賦課されるケースというのは、限定されることとなります。

ただ売上額が少ないために、課徴金が課されないとしても、措置命令等で処分を受けることは勿論となります。

対象期間については課徴金対象期間は、商品やサービスに不当表示をした期間にプラスをして、その不当表示をやめた日より半年以内に取引を行った日までです。

そして最長では、期間の最後の日より遡ること3年間までです。

表示の不当表示をストップした後の取引についての売上も、一定の範囲では課徴金算定の対象になってくる為に、その点は気をつける必要性が出てきます。

自主申告をして、課徴金額の減額というパターンもあります。

表示に関して違反を行った事業者が、そうした違反の行為を自主申告を行ったケースでは、課徴金額の1/3は減免されることとなります。

申告の調査によって、課徴金納付命があると予知していたときには減免となりません。